慢性疾患

慢性疾患とは

慢性疾患とは、時間をかけて少しずつ発症・進行し、放置しておくと全身に重大な影響を与えていく病気の総称です。

代表的な慢性疾患

慢性疾患の代表的なものとしては、下記が挙げられます。

慢性疾患の特徴

初期には自覚症状がなく、多くの場合、健康診断で判明します。自分で不調を感じる段階になると、想像以上に進行していることがあります。
いずれにしても早めに受診し、早期の治療開始と長期にわたる治療継続が大切です。

慢性疾患の主な原因

特に環境・生活習慣の悪化は大きな原因のひとつです。また、遺伝などに伴う先天的な「器質」の問題や、血管や臓器が老化していく「加齢」に伴う身体状況も主な要因として挙げられるでしょう。
環境や生活習慣を原因とする場合は改善の余地がありますが、「器質」や「加齢」については、なかなか「自分ではコントロールできない」という点が重要です。それを補う方法のひとつが投薬です。

慢性疾患の主な治療法

  • 適切な薬を飲む
  • 生活習慣を改善する
    食事管理
    運動をする
    体重のコントロール
    禁煙・節酒 など

『いつもジェネラルクリニック』の特徴

  • 「今は影響ないから、治療は必要ない」
    「薬漬けになるのが怖い」
    「定期的に通院するのは無理」
    「長治療費が高額になりそう」
    「もともとの体質だから、どうせ治らないだろう」
    慢性疾患と診断されても、このように感じてしまう人は少なくありません。

    近年、慢性疾患の薬は良質かつ安価なものが多く開発されており、長期に服用しても身体に悪影響を及ぼす心配はほとんどありません。しかも、これらの薬は保険適用ができるため、市販の健康食品やサプリメントよりはるかに経済的で効果も期待できます。
    器質や加齢などを根本的に解決できなくても、「適切な薬の服用」「生活環境の改善」は重篤な症状や命を脅かす状態を未然に防いでくれます。
    健康寿命を延ばすためには、「病気を予防する」という意識をもつことや、「薬を飲むことは健康に悪いわけではない」と知り、また病気を放置せず、症状が少しでも軽いうちに治療をスタートすることが大切です。
    老後のために、退職金・保険・年金など、経済的な対策を考えるのと同様に、健康についても、より良い未来のために安定させたり、蓄えていくことが重要です。経済的に豊かでも、健康でなければ老後の生活を楽しむことはできないのです。
    『いつもジェネラルクリニック』は、「健康であること」を最重要ポイントとし、ひとりでも多くの方が長期にわたって治療が続けられるよう、さまざまな取り組みを行っています。

『いつもジェネラルクリニック』の慢性疾患治療

  • 薬の種類や量を調整し、その人に最適な治療スタイルを提案
  • 生活習慣の改善(食生活や運動について)を指導
  • 薬が安定したら2~3カ月分処方し、通院の頻度を少なくする
  • 生活環境を改善することで数値が落ち着けば、薬を減らしていく
  • 大学病院や総合病院と密に連携
  • 予約不要。休日診療も可
生活の改善は短期間でできるものではありませんが、適宜アドバイスをしながら、しっかり患者様に寄り添ってまいります。
運動は、まずは 週3回、30分以上の有酸素運動(33の法則)を推奨しています。
食事は、栄養バランスを考えて少量を意識し、常に「食べ過ぎ」たり、「満腹」にならないよう意識することが大切です。
時間をかけてじっくり取り組むことは、確実に10年後・20年後・30年後の健康的な生活へと繋がっていきます。慢性疾患と診断された方・気になる症状がある方・治療についてわからないことがある方、そして、慢性疾患を持つご家族がいる方などは、お気軽に『いつもジェネラルクリニック』にご相談ください。

高血圧

高血圧とは

血圧とは心臓からの血液が血管を押す力のこと。血圧が正常とされる数値より高く、それが慢性化している状態を「高血圧」といいます。日本高血圧学会では、上の血圧が140mmHg、下の血圧が90mmHg以上を高血圧と定義しています。人は運動したり精神的に興奮したり、また寒いときに血管が縮んで血圧が上がることがありますが、高血圧とは、安静状態であるのに血圧が高いことをいいます。
高血圧に自覚症状はほとんどありません。しかし、高血圧が続くと、血管が硬く狭くなって血管に負担がかかるため、脳や心臓、腎臓に重大な病気を引き起こす原因となりえます。20歳以上の国民の2人に1人は高血圧で、生活習慣病死亡に最も大きく影響しています。
高血圧は症状がないまま進行することが多く、命まで落とすことがあるため、「サイレントキラー」と呼ばれています。

血圧値について

成人における血圧地の分類(mmHg)

分類 診察室血圧 家庭血圧
収縮期血圧 拡張期血圧 収縮期血圧 拡張期血圧
正常血圧 <120 かつ <80 <115 かつ <75
正常高値血圧 120-129 かつ <80 115-124 かつ <75
高値血圧 130-139 かつ/または 80-89 125-134 かつ/または 75-84
I度高血圧 140-159 かつ/または 90-99 135-144 かつ/または 85-89
Ⅱ度高血圧 160-179 かつ/または 100-109 145-159 かつ/または 90-99
Ⅲ度高血圧 ≧180 かつ/または ≧110 ≧160 かつ/または ≧100
(孤立性)収縮期高血圧 ≧140 かつ <90 ≧135 かつ <85

厚生労働省「eネット」より
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-003.html

高血圧になりやすい人

高血圧になりやすい人の特徴としては、「体をあまり動かさない」「太っている」「お酒やタバコを吸う」「睡眠不足」「ストレスが多い生活をしている」などが挙げられます。また、食事の嗜好として濃い味つけのものが好きだったり、油っぽいものを好んで食べたりするけれど野菜はあまり食べない、食事時間が不規則といった傾向がみられます。
親が高血圧であれば、その子も高血圧になる確率が高くなります。したがって、家族で予防することも大切です。

高血圧の具体的な治療・予防(日常生活での注意点)

食事については、「濃い味付けをやめて塩分を控えること」「体重をむやみに増やさないように管理すること」「お酒を飲み過ぎない」「喫煙は控える」「体をよく動かす」「過度なストレスを避ける」などが重要です。ポイントを整理すると次のようになります。
  • 有酸素運動
  • 禁煙
  • 節酒
  • 減量
  • 食塩摂取量の制限
  • カリウムを多く含む食品の摂取(ほうれん草・大豆・たけのこ・魚など)
  • 薬(降圧剤)の内服

高脂血症(脂質異常症)

高脂血症(脂質異常症)とは

脂質代謝に異常が認められる状態、つまり血中の脂肪分が増え、血液がドロドロになっている状態をいいます。健康診断では血液中の中性脂肪やコレステロールの値が示されますが、下記のうちどれか一つでも当てはまると脂質異常症として診断されます。
  • LDL(悪玉コレステロール)が140mg/dL以上
  • HDL(善玉コレステロール)が40mg/dL以下
  • TG(中性脂肪)が150mg/dL以上
特に問題となるのが①のLDL(悪玉コレステロール)で、増えすぎると動脈硬化が進行するといわれています。

高脂血症(脂質異常症)になりやすい人

傾向として、高血圧と同じく「過食や油っこい食事を好む」「太っている」「運動不足」「喫煙する」「アルコールの過剰摂取」「ストレスの強い生活」などが関係しているといわれています。
高脂血症(脂質異常症)は自覚症状が現れないため、健診などで見つかることが多い病気です。脂質の異常によって動脈硬化が進めば、心疾患・脳疾患など重篤な病気を引き起こす可能性も出てくるので、注意が必要です。

具体的な治療・予防

心と体にストレスを与えない生活を送ることが大切であり、時間をかけて生活習慣を改善していきましょう。ポイントを整理すると次のようになります。
  • 食事の管理
  • 有酸素運動
  • 禁煙
  • 節酒
  • 薬の服用

食事について

日常の食事の内容について、次のような点に注意しましょう。
NGポイント(減らす・避ける)
卵類(鶏卵や魚卵)・内臓類(レバーやモツ)
トランス脂肪酸を含む食品(マーガリンやショートニングを使った加工食品や工場生産された揚げ物類・ケーキ・ドーナツ・菓子パン・クッキー類など)
積極的に摂取したい食材
野菜や大豆食品、魚
肉は動物性脂肪が少ない赤身肉や、脂身をとり除いたもの

糖尿病

糖尿病とは

血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなる病気です。膵臓から出るインスリンというホルモンは血糖値を下げる働きがありますが、それがうまく機能しなくなっている状態です。
初期には自覚症状がほとんどありませんが、血糖値が高いまま放っておくと、血管が傷つき、合併症が引き起こされます。進行すると動脈硬化が進み、脳卒中や虚血性心疾患を引き起こしたリ、網膜症・腎症・神経障害といった合併症を引き起こしたりします。さらに悪化すると、失明や透析や足の切断といった恐ろしい結果につながる可能性もあります。

糖尿病の種類

免疫異常の場合(1型)と、食事や生活習慣が原因で起こる場合(2型)があります。日本人の多くが後者を原因とする糖尿病といわれています。
  • 1型糖尿病
    免疫の問題や突発的な状態によって、膵臓からインスリンという成分がほとんど出なくなり(インスリン分泌低下)、血糖値が高くなる病気
  • 2型糖尿病
    遺伝的な影響に加え、食べ過ぎ・運動不足・肥満などの悪習慣により、血糖値が高くなる状態
2型糖尿病にあてはまる人の特徴としては、「お菓子や甘い物が好き」「揚げ物や油っこい食べ物が好き」「野菜や果物などをあまりとらない」「栄養が偏っている」「太っている」「お酒をよく飲む」「たばこがやめられない」「運動をしない」「睡眠不足」「ストレス過多」、そして「身内に糖尿病の人がいる」などが挙げられます。

1型糖尿病と2型糖尿病の特徴

1型糖尿病 2型糖尿病
若年に多い
(ただし何歳でも発症する)
発症年齢 中高年に多い
急激に症状が現れて、糖尿病になることが多い 症状 症状が現れないこともあり、気が付かないうちに進行する
やせ型の方が多い 体型 肥満の方が多いが、やせ型の方もいる
膵臓でインスリンを作るβ細胞という細胞が壊れてしまうため、インスリンが膵臓からほとんど出なくなり、血糖値が高くなる 原因 生活習慣や遺伝的な影響により、インスリンが出にくくなったり、インスリンが効きにくくなったりして血糖値が高くなる
インスリンの注射 治療 食事療法・運動療法、飲み薬、場合によってはインスリンなどの注射を使う

国立国際医療研究センター「糖尿病情報センター」より
https://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/010/010/01.html

糖尿病の治療方法

糖尿病治療には、①食事療法、②運動療法、③薬物療法の3つがあります。
  • 食事療法
    今までの食生活を見直し、何が問題なのかを把握して理解し、正しい食生活を身につけて継続することが大切です。
  • 運動療法
    体を動かすことで体全体の筋力の向上、心肺機能を高め、血糖値を下げることでインスリンの働きを助けます。また、太っている方は体脂肪を落とすことが重要です。運動と適切な食事療法を組み合わせることで体脂肪を減らすことができます。
  • 薬物療法
    注射薬と飲み薬があります。
  • 当クリニックでは「ヘモグロビンA1c」を測る検査を導入し、その場で迅速に診断しています。
    (空腹にして来院・検査の必要はありません)
  • 合併症によって目・腎臓などに影響が出ている場合はほかの病院と連携・紹介し、並行して治療してまいります。

具体的な治療・予防(日常生活での注意点)

時間をかけて生活習慣を改善しましょう。具体的には次のようなことです。
  • 食事の管理
  • 有酸素運動
  • 禁煙
  • 節酒
  • 薬の服用
  • 合併症への対応
糖尿病であっても、食事療法や運動療法などの治療がうまくいき、合併症がなければ健康な人と変わらない生活を送ることができます。食事療法をしっかり守り、体重が増えないように注意し、食事のバランスやカロリーのチェックを心がけましょう。また、継続的な運動を行い、睡眠や休息を十分にとり、ストレスのない生活を心がけることも大切です。

高尿酸血症

高尿酸血症とは

血液中の尿酸の濃度が異常に高い(7.0g/dLを超える)状態を指します。
尿酸値が高いだけでは症状は出ませんが、血液中の尿酸が高い状態が続くと、溶けきれなくなった尿酸が結晶となって関節や足先などに溜まっていき、そこで炎症を起こして激痛を生じます。これがよくいう「痛風の発作」です。
また、尿酸が腎臓に溜まって結石ができると背中に痛みが生じ、さらにその結石が尿管や膀胱に移動するとその部分でも炎症を起こし、激痛を伴う症状となります。これを尿路結石といいます。
肥満や、高血圧・脂質異常・糖尿という3つの慢性疾患が合併していることが多いため、要注意です。

高尿酸血症になりやすい人

高尿酸血症は、女性より男性が圧倒的に多い病気です。女性は女性ホルモンがあるため、尿酸値がコントロールされるので男性よりは少ないといえますが、閉経後は少し増加します。
高尿酸血症は、食生活では肉をはじめとする脂っこい食事や甘い物、プリン体の多いビールなどのアルコールをたくさん飲む方に多い病気です。

具体的な治療・予防(日常生活での注意点)

高尿酸血症の治療は、痛風や尿路結石などの症状を防ぎ、合併症の再発予防が主眼となります。高尿酸血症は生活習慣病なので、治療は生活習慣の改善と薬物療法になります。
普段の生活で気をつけることは、適切な量のバランスのよい食事をとり、体重が増えすぎないようにすることです。体重を減らすだけでも尿酸値の改善がみられることがあります。
食事は、特にタンパク質の過剰摂取を避け、動物の内臓などのプリン体の多い食事を制限するのもよいとされています。運動は激しい無酸素運動を避け、ジョギングなどの有酸素運動を適切に行うことが大切です。
生活習慣の改善ポイントを整理すると、以下になります。
  • 食事の管理
    特に、「プリン体」(ビール・鶏卵・魚卵・肉・魚などに多く含有)の摂取を控える
  • 有酸素運動
  • 禁煙・節酒
  • 合併症への対応
また、これまでに痛風を起こした経験がある方は薬物療法も加わります。