「同じことを何度も聞いてしまう」「約束を忘れることが増えた」「探しものをしている時間が長くなった」——年齢を重ねれば誰にでも起こりうる変化ですが、そのなかには、治療によって改善が期待できる原因が隠れていることがあります。
もの忘れの背景には、加齢による自然な変化のほか、甲状腺機能の低下やビタミンの不足、脳内の出血、うつ症状、服用中のお薬の影響など、認知症以外のさまざまな要因が含まれます。まずは「何が原因なのか」を確かめることが、その後の見通しを立てるうえで大切です。当院では、脳神経内科を専門とする副院長・若生翔医師が診療を担当いたします。ご本人はもちろん、「家族の様子が気になるが、本人は受診を嫌がっている」といったご家族からのご相談も承っております。
こんなことが気になったらご相談ください
ご本人が感じる変化
- 同じことを何度も聞いたり、話したりしてしまう
- 約束や予定を忘れることが増えた
- 人や物の名前が出てこない
- 探しものが増えた、置き忘れが多い
- 慣れた道で迷うことがあった
- お金の管理やATMの操作が難しくなった
ご家族が気づく変化
- 服装や身だしなみに無頓着になった
- 料理の味付けや手順が変わった
- 薬の飲み忘れが増えた
- 以前は好きだったことに興味を示さなくなった
- 怒りっぽくなった、性格が変わったように感じる
- 同じものを何度も買ってくる
主な診療内容
もの忘れの原因を見極めます
もの忘れの診療では、まず「加齢によるもの忘れなのか」「軽度認知障害(MCI)の段階なのか」「認知症によるものなのか」、そして「治療で改善が期待できる別の原因があるのか」を見極めることから始まります。
たとえば、甲状腺機能の低下、ビタミンB12や葉酸の不足、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、服用中のお薬の影響、うつ症状などは、もの忘れに似た症状を引き起こすことがあります。これらは適切に対応することで改善が期待できるため、見逃さないことが重要です。当院では問診・診察・検査を組み合わせ、丁寧に原因を確認してまいります。
認知機能検査(MMSE・HDS-R)
記憶力や見当識、計算、言語などの認知機能を、質問形式で確認する検査です。当院ではMMSE(ミニメンタルステート検査)と改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)に対応しています。
いずれも会話形式で行う検査で、痛みや負担はありません。検査は現在の状態を客観的に把握するためのものであり、点数だけで診断が決まるものではありません。結果は問診や他の検査とあわせて総合的に判断いたします。
血液検査
甲状腺機能、ビタミンB12・葉酸、肝機能・腎機能、血糖、電解質などを確認し、もの忘れの背景に治療可能な原因がないかを調べます。
あわせて、高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病の管理状況も確認いたします。これらは血管性の認知症のリスクにも関わるため、継続的な管理が大切です。
MRI検査(連携医療機関)
脳の萎縮の程度や、脳梗塞・脳出血の有無、慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症といった治療可能な病変の有無を確認するため、必要に応じてMRI検査をご案内いたします。
いつもMRIクリニックやメディカルスキャニングなどの連携医療機関と提携しており、患者さまのお住まいや通いやすさに応じて受診しやすい検査機関をご提案いたします。ご予約や受診の手順については診察時に詳しくご案内いたしますので、あらかじめご手配いただく必要はありません。検査結果をふまえて、当院で診療を継続いたします。
治療と生活のサポート
認知症と診断された場合も、進行を緩やかにするための内服治療や、生活環境の調整によって、住み慣れた場所での生活を長く続けていただけるよう支援いたします。お薬は、効果とともに副作用の現れ方を見ながら、症状の程度に応じて調整することが重要です。当院では定期的に受診いただきながら、丁寧に調整を行ってまいります。
また、生活習慣病の管理、睡眠や食事の見直し、社会とのつながりを保つことも、認知機能の維持にとって大切な要素です。総合診療体制の当院では、これらをまとめてご相談いただけます。
ご家族へのサポート
認知症の診療では、ご家族の負担への配慮も欠かせません。ご本人への接し方、生活上の工夫、利用できる制度など、日々の困りごとについてもご相談ください。
介護保険の申請や地域包括支援センターのご利用についても、必要に応じてご案内いたします。介護保険の申請に必要な主治医意見書の作成にも対応しておりますので、申請をご検討中の方はお気軽にご相談ください。
受診にあたってのお願い
より正確な診療のため、可能な範囲で以下のご協力をお願いいたします。
- できるだけご家族と一緒にご来院ください。 ご本人が自覚していない変化を、ご家族のお話からうかがえることが多くあります。
- お薬手帳をご持参ください。 服用中のお薬がもの忘れに影響していることがあります。
- いつ頃から、どのような変化があったかをメモしておいていただけると助かります。 詳細でなくて構いません。
- 他院で受けた検査結果や紹介状がありましたら、あわせてお持ちください。
ご本人が受診に前向きでない場合は、「健康診断」「生活習慣病の相談」といった形でお越しいただいても構いません。ご家族のみでの事前相談も承っておりますので、まずはお電話にてご相談ください。
当院で対応できないこと
以下については当院では実施しておりません。必要と判断した場合は、対応可能な医療機関へご紹介いたします。
- CT検査
- 脳波検査
- 髄液検査
- 神経伝導検査
- 入院を伴う精密検査、専門的な鑑別診断
- 認知症に伴う症状が強く、専門的な入院加療が必要な場合の対応
また、突然のもの忘れや意識障害、手足の麻痺、ろれつが回らないといった症状が急に現れた場合は、認知症とは異なる緊急性の高い状態の可能性があります。救急要請をお願いいたします。
担当医
副院長 若生 翔(わこう しょう)
- 日本内科学会 内科専門医
- 日本神経学会認定 神経内科専門医
- 難病指定医(東京都)
- 日本認知症学会 所属
診療日:月曜・火曜・木曜・日曜
上記の診療時間内であれば、ご予約なしでも受診いただけます。混雑状況により、お待ちいただく場合がございます。ご家族のみでのご相談も承っておりますので、まずはお気軽にご来院ください。







