
救急科は緊急性の高い外傷や急性疾患に対して迅速な診断と治療を提供する診療科です。日常生活や労働現場、スポーツ活動中に発生する様々な外傷、患者さまの生命と健康を守ります。軽度な外傷から重篤な外傷まで、症状の重症度を適切に判断し、必要に応じて専門科との連携や高次医療機関への紹介も行います。 当院では迅速かつ的確な初期治療により、患者さまの苦痛軽減と合併症予防を図り、可能な限り早期の社会復帰をサポートいたします。緊急性の高い症状や外傷を負われた際は、躊躇なく速やかにご受診ください。
こんな症状の方はご相談ください
- 頭部の打撲、意識障害
- 転倒による外傷、骨折の疑い
- 深い切り傷、大量出血
- 火傷、化学物質による皮膚損傷
- 激しい腹痛、胸痛
- 呼吸困難、窒息
- 高熱、けいれん
- 中毒、誤飲
- スポーツ外傷
- 労働災害による外傷 など
主な診療内容
打撲(頭部)

頭部打撲は転倒、スポーツ外傷などにより頭部に外力が加わった状態で、脳震盪から重篤な頭蓋内出血まで様々な病態を含みます。外見上は軽微でも、脳内に重大な損傷が生じている可能性があるため、慎重な評価が必要です。意識レベル、神経症状、頭痛、嘔吐の有無を詳細に観察します。 初期対応では神経学的評価を実施し、頭蓋内病変の有無を確認します。軽度の脳震盪では安静と経過観察を基本とし、症状悪化時の対応について詳しく説明いたします。重篤な頭蓋内出血が疑われる場合は、緊急手術が可能な専門医療機関への迅速な搬送を行います。頭部外傷後は遅発性の症状出現もあるため、継続的な観察が重要です。
転倒

転倒は高齢者に多く見られる外傷の原因で、骨折、打撲、関節損傷などを引き起こします。特に大腿骨頸部骨折、脊椎圧迫骨折、橈骨遠位端骨折は頻度が高く、ADL(日常生活動作)への影響が大きい外傷です。転倒の機転、疼痛の部位と程度、歩行可能性を評価し、骨折の有無を判断します。 診断にはX線検査を実施し、骨折の有無、転位の程度を確認します。骨折が認められる場合は適切な固定を行い、整形外科専門医との連携により最適な治療方針を決定します。骨折がない場合でも、軟部組織損傷や関節損傷の可能性があるため、疼痛管理と機能回復のためのリハビリテーション指導を行います。転倒予防のための環境整備や運動指導についてもアドバイスいたします。
切創

切創は鋭利な物体により皮膚や深部組織が切断された外傷で、出血制御と感染予防が治療の要点となります。創傷の深さ、長さ、部位により重症度が決まり、血管、神経、腱の損傷の有無を慎重に評価します。顔面や手指の切創では整容性や機能への影響を特に考慮する必要があります。 初期治療では止血処置を最優先とし、創傷の詳細な観察を行います。異物の除去、十分な洗浄の後、創縁の状態に応じて縫合処置を実施します。深部組織の損傷が疑われる場合は、専門科への紹介も検討します。破傷風予防接種の必要性を判断し、ワクチンの投与により感染予防を図ります。適切な創傷処置により、機能障害や瘢痕形成を最小限に抑制することが可能です。
熱傷

熱傷は熱湯、蒸気、火炎、電気、化学物質などにより皮膚や粘膜が損傷を受ける外傷です。受傷面積と深達度により重症度が決まり、生命に関わる場合もあります。1度熱傷は表皮のみの損傷、2度熱傷は真皮に達する損傷、3度熱傷は皮下組織に達する全層性の損傷と分類されます。 初期治療では患部の冷却が最も重要で、受傷直後から冷水による冷却を15-20分間継続します。その後、熱傷の範囲と深度を評価し、適切な創傷被覆材による処置を行います。広範囲熱傷では全身管理が必要となり、輸液による循環管理、疼痛管理、感染予防を行います。化学熱傷では原因物質の除去と中和が重要です。重症熱傷では専門的な治療が必要となるため、熱傷専門医療機関への搬送も検討いたします。