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burn熱傷

熱傷(やけど)は、熱いものに触れたり、熱湯がかかったりして皮膚が傷ついた状態です。日常生活でとても身近な外傷の一つで、お料理中の油はねや熱いお湯、ストーブやアイロンなどが原因となることがよくあります。当院では熱傷の程度に応じた適切な治療により、痛みを和らげ早く治るようサポートいたします。

熱傷とは

熱傷は、熱いものが皮膚に触れることで起こる外傷です。熱いお湯や油、火、高温の物に触れることで発生します。温度が高いほど、また長時間触れているほど、ひどい熱傷になってしまいます。

実は、それほど熱くない44~60度くらいの温度でも、長時間触れていると「低温熱傷」という深いやけどになることがあります。湯たんぽや電気毛布、使い捨てカイロなどが原因となることが多く、気づいたときには深い傷になっていることがあるため注意が必要です。

熱傷の程度と症状

熱傷は、どのくらい深くまで傷ついているかによって、軽いものから重いものまで分けられます。

軽い熱傷(1度)

皮膚が赤くなってヒリヒリ痛む程度です。日焼けと同じような状態で、数日で治り、あとも残りません。

中程度の熱傷(2度)

皮膚に水ぶくれができて、強い痛みがあります。浅いものは2週間ほどで治りますが、深いものは1か月ほどかかり、あとが残ることもあります。

重い熱傷(3度)

皮膚が白っぽくなったり黒くなったりして、神経も傷つくため逆に痛みを感じません。治るのに時間がかかり、あとが残りやすくなります。

やけどをしたときの応急処置

やけどをしてしまったら、まず何よりも冷やすことが大切です。水道水でかまいませんので、20分くらい流水で冷やしてください。これにより、やけどが深くなるのを防ぎ、痛みも和らげることができます。

服を着たまま熱いものがかかった場合は、無理に脱がずに服の上から水をかけて冷やしましょう。無理に脱ごうとすると、水ぶくれが破れてしまうことがあります。

水ぶくれができても、できるだけ破らないようにしてください。また、指にやけどをした場合は、腫れて抜けなくなる前に指輪を外しておきましょう。

当院での治療

当院では、外傷や軽度の熱傷に関して、消毒液とガーゼを使用しない「湿潤療法」を用いております。湿潤療法とは、傷口を水で洗い流し、創面を専用の創傷被覆材(ドレッシング材)で密封する方法で、患者様の苦痛を限りなく軽減させた創傷管理です。

この治療法の特徴は、ご自身が持つ自己治癒能力を活かすことです。消毒によって傷を深くすることがありませんので、痛みや負担の少ない治療を受けていただけます。

軽い熱傷の場合は、傷口を水で洗い流し、専用の被覆材で保護することで、痛みを和らげながら治癒を促進します。深い熱傷の場合は、状態に応じて専門的な処置を行い、必要に応じて適切な医療機関へご紹介いたします。

感染を防ぐために

熱傷で心配なのは、傷口から細菌が入って感染することです。感染が起こると、傷が深くなったり治りが悪くなったりして、あとが残りやすくなってしまいます。

当院では、傷口を清潔に保ち、適切な処置を行うことで感染を防ぎます。処置後は定期的に傷の状態を確認し、順調に治っているかチェックいたします。

小さなお子様の熱傷

小さなお子様の皮膚は大人より薄いため、同じ熱さでも深い熱傷になりやすい特徴があります。そのため、お子様の熱傷は特に注意が必要です。

よくある原因として、炊飯器やポットから出る蒸気に手を出してしまったり、テーブルの上の熱い飲み物をこぼしてしまったりすることがあります。蒸気は熱湯よりも温度が高いため、短時間でも深いやけどになることがあります。

お子様の熱傷予防のために、熱いものはお子様の手が届かない場所に置く、テーブルクロスは使わないなど、日頃から気をつけていただくことが大切です。

高齢者の熱傷

高齢者の方は、お持ちの病気の影響で傷の治りが遅くなることがあります。特に糖尿病をお持ちの方は、血糖値をきちんと管理することで傷の治りが良くなります。

また、感覚が鈍くなっていることがあるため、暖房器具による低温熱傷にも注意が必要です。湯たんぽや電気毛布は、寝る前に取り外すか電源を切るようにしましょう。

化学物質によるやけど

薬品や洗剤などの化学物質によるやけどもあります。この場合は、大量の水で洗い流すことが最も重要です。中和しようとして他の薬品を使うのは危険ですので、とにかく水で洗い流してください。

原因となった物質の情報(容器やラベル)があれば、一緒にお持ちいただくと適切な処置ができます。

低温熱傷について

低温熱傷は、それほど熱くない44~60度くらいの温度のものに長時間触れることで起こります。湯たんぽ、電気毛布、使い捨てカイロ、ストーブなどが原因となることが多く、気づいたときには深い傷になっていることがあります。

「それほど熱くないから大丈夫」と油断しがちですが、実は深い熱傷になりやすく、治るのに時間がかかることが多いのです。

あとが残らないようにするために

熱傷のあとが残らないようにするには、最初の処置がとても大切です。適切な治療を受けることで、きれいに治すことができます。

深い熱傷の場合は、あとが盛り上がったり、ひきつれたりすることがあります。このような場合は、早めに専門的な治療を受けることが重要です。

受診のタイミング

以下のような場合は、すぐに医療機関を受診してください。

  • 水ぶくれができた場合
  • 手のひらくらいの大きさ以上の熱傷
  • 顔や手足の熱傷
  • 深い熱傷(白っぽくなったり黒くなったりしている)
  • 化学物質や電気による熱傷
  • 小さなお子様や高齢者の熱傷

軽い熱傷でも、心配な場合はお気軽にご相談ください。当院では夜間診療も行っておりますので、急なやけどにも対応いたします。

日常生活での注意点

熱傷を防ぐために、日常生活で気をつけていただきたいことがあります。

  • 熱いものは安全な場所に置く
  • 小さなお子様がいる場合は、特に注意深く管理する
  • 調理中は適切な服装で行う
  • 暖房器具の使い方に注意する
  • 化学物質を扱う際は保護具を使用する

熱傷でお困りの際は、当院までお気軽にご相談ください。患者様の状態に応じた適切な治療により、痛みを和らげ、きれいに治るようサポートいたします。なお、症状の度合いによっては、適切な医療機関にご紹介いたします。