CO2レーザー治療は、皮膚の「できもの」を取り除く治療法です。CO2レーザー（炭酸ガスレーザー）とは、水に反応する特長のあるレーザーであり、もともと皮膚には水分が多く含まれているため、レーザーを照射すると、その部位の細胞内の水分が反応して熱エネルギーが発生します。このように生じた熱で水分が瞬間的に蒸散することで皮膚が削られ、いわゆる「できもの」が除去されます。

さらに、照射部位周辺の血管は熱凝固作用で一瞬のうちに固まってしまうため、出血はほとんど見られません。また、炭酸ガスレーザーの蒸散作用は皮膚の表面に限られ、深いところまで至らないので、除去後の患部の治癒も比較的早いとされています。

当院では患者様の症状に合わせた個別の治療プランを提供し、安全で効果的な治療をサポートいたします。

対象疾患

CO2レーザー治療は、以下のような皮膚のできものに効果的です。

ほくろ

ほくろは、メラニン色素が集まってできた良性の腫瘍です。小さなものから大きなものまで、平らなものから盛り上がったものまで、様々な形や大きさがあります。CO2レーザーなら、周りの正常な皮膚を傷つけることなく、ほくろだけを取り除くことができます。

いぼ

いぼは、ウイルス感染によって起こる皮膚の病気です。放置すると大きくなったり、数が増えたりすることがあります。従来の液体窒素による凍結療法と比べて、CO2レーザー治療は痛みが少なく、治療回数も少なくて済むことが多いです。

脂漏性角化症

脂漏性角化症は、年齢とともに現れる茶色い盛り上がった病変で、「老人性いぼ」とも呼ばれます。主に顔や首、体にできることが多く、色は茶色から黒色まで様々です。CO2レーザーで丁寧に除去すれば、きれいに治すことができます。

脂腺増殖症

脂腺増殖症は、皮脂を作る脂腺が大きくなってできる小さな黄色い盛り上がりです。主に顔、特に鼻やほっぺにできることが多く、中央に小さなくぼみがあるのが特徴です。CO2レーザーなら、跡を残さずにきれいに除去することができます。

軟性線維腫

軟性線維腫は、首や脇の下などにできる小さな皮膚の突起で、「アクロコルドン」や「スキンタッグ」とも呼ばれます。皮膚色から茶色をしており、柔らかくて触るとプルプルした感じがします。一度に複数個所の治療が可能です。

その他の盛り上がった病変

上記以外にも、様々な良性の皮膚病変に対して治療が可能です。皮膚の盛り上がりや突起が気になる場合は、まずは診察を受けて、治療の適応について相談してみてください。

治療の流れ

当院では、患者様に安心して治療を受けていただくため、以下の手順で治療を進めます。

施術部位のサイズを測定する

まず、治療したい「できもの」の大きさや形、深さを詳しく調べます。複数の病変がある場合は、それぞれについて丁寧に確認いたします。治療にかかる時間や費用についても、この段階で詳しく説明いたします。

局所麻酔

治療部位とその周りに局所麻酔を注射します。注射の際にチクッとした痛みがありますが、麻酔が効けば治療中の痛みはほとんど感じません。麻酔に不安がある方は、遠慮なくお声がけください。

CO2レーザー照射

病変の大きさや種類に応じて、レーザーの出力や照射時間を調整します。経験豊富な医師が、周りの正常な皮膚を傷つけないよう注意深く治療を行います。治療時間は病変の大きさによって異なりますが、通常は数分程度で終了します。

軟膏及びデュオアクティブ貼付

治療後は、傷口を保護し、早くきれいに治すために軟膏を塗り、デュオアクティブという特殊な絆創膏を貼ります。この方法により、痛みが少なく、きれいに治すことができます。

治療後の経過

CO2レーザー治療後は、適切なケアにより良好な治癒が期待できます。

治療直後

治療部位に軽い腫れや赤みが見られることがありますが、これは正常な反応なので心配ありません。

治療後1〜2日

傷口から透明な汁が出ることがあります。これは治癒過程で自然に起こることで、感染ではありません。デュオアクティブを貼ったまま過ごしていただきます。

治療後3〜7日頃

傷口に薄い膜（上皮）ができ始めます。この時期は傷口がかゆくなることがありますが、掻いたりこすったりしないよう注意してください。

治療後1〜2週間

上皮化が完了し、デュオアクティブを外すことができます。治療部位は最初は赤い色をしていますが、時間が経つにつれて周りの皮膚と同じ色に近づいていきます。

1～2週間で皮膚は再生しますが、再生後紅斑や色素沈着を起こします。照射後の紅斑や色素沈着は、2～3ヶ月で自然消退します。この間は紫外線を避け、日焼け止めを使用することが大切です。

治療後の注意点

CO2レーザー治療後は、以下の点に注意して過ごしてください。

傷口のケア

治療後は傷口を清潔に保つことが重要です。シャワーは翌日から可能ですが、治療部位を強くこすらないよう注意してください。

日常生活の注意

治療後の日常生活に大きな制限はありませんが、激しい運動や重いものを持つなど、治療部位に負担がかかる活動は数日間控えてください。

紫外線対策

治療後の皮膚は紫外線に敏感になっているため、外出時は帽子や日焼け止めを使用して、しっかりと紫外線対策を行ってください。色素沈着を防ぐためにも、この対策は非常に重要です。

経過観察

治療後は定期的に経過を確認させていただきます。傷の治り具合や、再発の有無をチェックし、必要に応じて追加の治療を行います。気になることがあれば、遠慮なくご相談ください。

当院での治療について

当院では、CO2レーザー治療において豊富な経験を持つ医師が、患者様一人ひとりの症状に応じた最適な治療を提供いたします。治療前には詳しい説明を行い、患者様のご不安や疑問を解消してから治療に臨みます。

保険が適用される治療に対応しており、患者様のご希望に応じて治療プランを提案いたします。料金についても事前に詳しく説明し、安心して治療を受けていただけるよう努めております。

治療後のアフターケアにも力を入れており、治癒過程でのご質問やご不安にも丁寧に対応いたします。皮膚の「できもの」は、放置すると大きくなったり、数が増えたりすることがあります。気になる症状がある場合は、早めの受診をお勧めします。

当院では「どんなことでもご相談できるクリニック」として、患者様の不安を取り除くことに全力で取り組んでおります。CO2レーザー治療に関してご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。